ChatGPT広告の計測とAAM|OpenAI Pixel導入前に確認すべきこと
更新
2026年8月、OpenAIが日本でもChatGPT広告を開始しました。
ChatGPTを使っていると、回答の下に広告が表示されるようになっています。
広告運用を仕事にしている身として気になるのは、「どうやって広告計測するのか」というところです。
ChatGPTという新しい広告媒体であっても、広告を出稿する以上、
- 広告がどれくらいクリックされたのか
- サイトにどれくらい流入したのか
- コンバージョンにつながったのか
を把握したくなります。
ChatGPT広告の計測自体は、それほど特殊ではなくOpen AI Pixelタグの導入のみです。
ただ、OpenAI Pixelを導入するなら、もう一つ確認しておきたい仕組みがあります。
**Automatic Advanced Matching(AAM)**です。
今回は、ChatGPT広告の概要から計測方法、AAM、そしてプライバシーポリシーについてまとめます。
※本記事は2026年10月時点の情報をもとにしています。ChatGPT Adsは提供開始から間もなく、仕様変更も続いているため、実際に出稿する際は最新の公式情報も確認してください。
※2026年10月更新:AAMのON/OFF設定について内容を更新しました。
ChatGPT広告とは
ChatGPT広告は、ChatGPTの回答の下に表示される広告です。
広告には、
- 広告主名
- ロゴ
- タイトル
- 説明文
- ランディングページ
- 画像
などが表示されます。
広告はChatGPTの回答とは明確に区別され、広告であることも表示されます。(OpenAI Help Center)
従来の検索広告と大きく違うのは、広告が表示されるきっかけです。
Google検索広告であれば、「ユーザーが何というキーワードで検索したか」が重要になります。
一方、ChatGPT広告では、現在の会話の文脈や意図などが広告の選定に利用されます。
広告グループには、商品やサービスが関連しそうな会話・トピック・キーワードを「コンテキストヒント」として設定できますが、これは完全一致キーワードではありません。
つまり、「このキーワードで検索されたら、この広告を出す」という従来型の検索広告とは、少し違った考え方になります。(OpenAI Help Center)
ユーザーがChatGPTで情報を探したり、商品を比較したり、購入を検討したりしている、その会話の中に広告が入ってくる。
ChatGPT広告の面白いところは、ここだと思います。
ChatGPT広告の計測方法
では、実際に広告を出稿した場合、どのように計測するのでしょうか。
結論から言えば、基本的な考え方は他のWeb広告媒体と大きく変わりません。
流入はUTMパラメータで確認する
ランディングページのURLにUTMパラメータを付けることで、Google Analyticsなどのアクセス解析ツールからChatGPT広告経由の流入を確認できます。
例えば、次のようなURLです。
https://example.com/?utm_source=chatgpt&utm_medium=paid&utm_campaign=summer
OpenAIも、ChatGPT広告ではランディングページURLに静的なトラッキングパラメータを設定する方法を案内しています。
パラメータは広告クリック後も維持されるため、既存のアクセス解析ツールでChatGPT広告からの流入を確認できます。(OpenAI Help Center)
コンバージョンはOpenAI Pixel/Conversions APIで計測する
コンバージョンをChatGPT広告側でも計測したい場合は、OpenAI PixelをWebサイトに設置します。
OpenAI Pixelは、一般的な広告媒体のコンバージョンタグと同じようなイメージで、サイト上で発生したコンバージョンイベントをOpenAI側へ送信します。
また、サーバー側からイベントを送信するConversions APIも用意されています。
PixelとConversions APIを併用することも可能で、同じコンバージョンを両方から送信する場合は、同じEvent IDを利用することで重複排除が行われます。(OpenAI Help Center)
ざっくり整理すると、次の構成です。
- 流入を確認する → UTMパラメータ
- ChatGPT広告側でコンバージョンを計測する → OpenAI Pixel
- サーバー側からコンバージョンを送信する → Conversions API
ここまでは、普段からWeb広告の計測をやっている人であれば、そこまで難しい話ではありません。
むしろ注意したいのは、その先です。
注意したいAutomatic Advanced Matching(AAM)
ChatGPT広告の計測で気になったのが、**Automatic Advanced Matching(AAM)**です。
AAMは、広告クリックを直接識別できない場合などに、Webサイト上で取得できる顧客情報を利用してコンバージョンと広告を紐付ける仕組みです。
OpenAI Pixelは、Webサイト上の認識可能なフォームなどから対象となる顧客情報を自動的に検出します。
検出した情報はブラウザ上で正規化され、SHA-256でハッシュ化されたうえで、コンバージョンイベントとともに利用されます。
OpenAIの説明では、AAMによって生の顧客情報そのものがOpenAIへ送信されるわけではありません。(OpenAI Help Center)
ここだけを見ると、「ハッシュ化されるなら、そこまで気にしなくてもいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、個人的にはここがChatGPT広告を導入する際に一番確認しておきたいポイントです。
サイト上の情報を「自動的に」取得する
AAMの特徴は、広告主が個別に「このフォームのメールアドレスをAAMに渡します」と実装する必要がないことです。
OpenAI Pixelが、サイト上の認識可能なフォームなどから対象となる顧客情報を自動的に検出します。(OpenAI Help Center)
つまり、例えばサイト内に、
- メールアドレス
- 電話番号
- 氏名
- 住所
などを入力するフォームがある場合、それらがAAMの対象になる可能性があります。
「コンバージョンを計測するためにPixelを入れただけのつもりだったのに、フォームに入力された顧客情報まで自動的に計測に利用される」
という点は、広告担当者だけでなく、サイト管理者や法務担当者も認識しておいたほうがよいでしょう。
AAMはオフにできるのか?
結論から言うと、**2026年10月時点では、Ads Manager上でAAMのON/OFFを切り替えられます。**ただし、デフォルトはONです。
経緯を整理しておくと、AAMは2026年8月に仕様が変わり、新しく作成するWeb Pixelではデフォルトで有効になりました。さらに既存のWeb Pixelについても、2026年8月17日に自動的に有効化されています。
つまり、何もしなければAAMはONのままです。オプトイン(使いたい人が有効にする)ではなく、オプトアウト(使いたくない人が無効にする)の仕組みになっている点に注意してください。
設定は、Ads ManagerのTools → Conversions → Data Source → Edit pixel(ツール → コンバージョン → データソース → ピクセルの編集)から変更できます。日本語表示では項目名が異なる場合があります。
ただし、OpenAIのコミュニティでは「編集画面にAAMの設定項目が見当たらない」という声も上がっています。OpenAI側の回答では、設定はアカウントによって表示されない場合があり、その場合はサポート(OpenAI Help Centerのチャット、または広告サポート窓口)に問い合わせるよう案内されています。
そのため、これからPixelを導入する場合も、すでに導入済みの場合も、
- 自分のアカウントでAAMがONになっているか
- ON/OFFの設定項目が表示されているか
- AAMを使う場合、どのフォームの情報が対象になり得るか
を一度Ads Manager上で確認しておくのがおすすめです。
「このタグは単純なコンバージョン計測タグだから大丈夫」と考えて設置するのではなく、AAMがどのような情報を取得する可能性があるのかまで確認しておくべきです。
だからプライバシーポリシーも確認する
ここまで読んでもらうと、プライバシーポリシーの話につながります。
広告計測のためにPixelを設置するだけなら、「広告媒体の計測タグを追加するだけ」と考えてしまいがちです。
しかしAAMを利用する場合、サイト上のフォームなどから顧客情報を自動的に検出し、ハッシュ化してコンバージョン計測に利用する可能性があります。
そのため、
「自分のサイトでは、どのような情報を取得していて、それを広告計測に利用することを現在のプライバシーポリシーで説明できているか?」
を確認しておいたほうがいいでしょう。
OpenAIも、コンバージョンデータを送信する前に、サイトやアプリで収集するデータについてユーザーに明確かつ包括的に説明し、法律上必要な同意を取得するよう案内しています。(OpenAI Help Center)
また、広告ツールに関するOpenAIの規約・DPAも公開されています。広告ツールで処理されるPersonal Dataについての取り扱いも定められているため、企業サイトなどで利用する場合は一度確認しておいたほうがよいでしょう。(OpenAI)
もちろん、「OpenAI Pixelを入れたら、プライバシーポリシーにこの文章を追加すればOK」という単純な話ではありません。
実際に取得している情報やサービスの内容、利用目的、Cookieや同意取得の仕組みなどによって必要な対応は変わります。
ただ、
広告計測タグを設置する → 計測できればOK
で終わらせず、
広告計測タグを設置する → 何の情報が計測に利用されるのか確認する → プライバシーポリシーも確認する
というところまでセットで考えておくべきでしょう。
まとめ
ChatGPT広告の計測そのものは、そこまで特殊ではありません。
UTMパラメータを使ってアクセス解析ツールで流入を確認し、コンバージョン計測にはOpenAI Pixelを利用できます。
必要に応じてConversions APIを組み合わせることもできます。
一方で、ChatGPT広告をこれから導入する場合に個人的に注意したいのが、**Automatic Advanced Matching(AAM)**です。
AAMでは、OpenAI Pixelがサイト上のフォームなどから対象となる顧客情報を自動的に検出し、ブラウザ上でハッシュ化してコンバージョン計測に利用します。
生のメールアドレスなどがそのままOpenAIへ送られるわけではありません。
また、AAMはAds Manager上でオフにできますが、デフォルトはONです。使うかどうかは、意識して選ぶ必要があります。
それでも、
「広告のコンバージョンを測るためにタグを入れたら、サイト上の顧客情報も自動的に計測対象になり得る」
という点は、広告担当者として知っておくべきだと思います。
そして、そこまで考えると、プライバシーポリシーの確認も避けて通れません。
ChatGPT広告はまだ始まったばかりです。
広告の配信方法だけでなく、**「何を計測できるのか」「そのためにサイト側で何が取得されるのか」**まで確認したうえで導入する。
これからChatGPT広告を試してみようという場合は、まずそこから確認してみるのがよさそうです。